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第27回朝食会「新政権の医療政策」

開催日2010-03-17 ゲストスピーカー:梅村 聡 氏(参議院議員)

第27回朝食会「新政権の医療政策」

本日は民主党参議院議員の梅村聡さんにお越しいただきました。梅村さんは大阪大学を卒業された内科医で臨床をされていました。先の2007年の参院選で大阪から出馬され128万票という記録的な得票数でトップ当選をされました。医療政策に深く関わっていらっしゃるキーパーソンとなる期待の方です。それでは早速お話しいただきましょう。

梅村 皆さまおはようございます。ただいまご紹介いただきました参議院議員の梅村聡です。所属は民主党です。私は2007年の参院選で大阪の選挙区で当選させていただきました。もともとは内科の医師で、専門はメタボ(内臓脂肪症候群)の診療・研究でしたが、救急医療なども含めて内科医として働いてまいりました。母方が非常に濃い糖尿病家系であったこともあって、生活習慣病に興味を持ち診療・研究を行っていました。

様々な経緯があり、2007年の参院選に民主党から出馬したわけですが、私の前の議席は故山本たかし参議院議員(民主党)が持っておられました。山本議員は、「がん対策推進基本法」という、超党派で作った法案を、ご自身ががんを患いながらも国会で成立させたい、と活動された方です。残念ながら2007年12月にお亡くなりになられたのですが、私はその後の議席を受けたわけですから、「超党派」という言葉もあるように、山本先生の思いと同じで、国民の皆さまのために息の長い政治活動をし、政策に携わるということを心がけて取り組んでいます。今日は特にマスコミ等ではあまり流れないような、基礎的な思想の部分を中心にお話ししたいと思います。

■「コンクリートから人へ」でメリハリついた平成22年度予算
それでは、資料を見ながら、お話します。
現在は3月で、参議院で予算の審議をしています。
1枚目下のスライドは、民主党政権で初めての予算です。特に法人税収の下げが大きく影響して、当初45兆円といわれていた税収が実際は36兆円で、約2割減から議論がスタートしたのが22年度予算です。この表は昨年の予算からの伸び率を示していますが、税収がマイナスからスタートしたわけですから、本来であればマイナス20%が基礎ベースとなります。それに対して、社会保障プラス9.8%、文教・科学振興費プラス5.2%、経済協力マイナス7.5%、公共事業マイナス18.3%です。賛否両論いただいていますが、「コンクリートから人へ」というメリハリのある予算配分となっています。

特に、社会保障は高齢化社会への対応を加味していますし、文教・科学振興費については少子化が進む中では異例の大きな伸びです。そういう意味で、非常に大きな転換と言えます。前原国土交通大臣によると、公共事業の減額は断腸の思いだそうです。たとえば、八ッ場ダムの工事中止の件は、100年に1度の台風のような大きな災害が今年起きるかもしれないという中で、その対策も考慮して中止か継続の判断をしなければならず、仮に災害が起きれば自分の首は飛ぶだろうという、それくらいギリギリの覚悟で決断をしたそうです。

そういう意味で、私たちは一つのメッセージを予算編成で発信したと思います。

次のスライドは、診療報酬の改定について示していますが、10年ぶりのプラス改定でこれが成果だと胸を張る与党や政府の関係者が多いわけです。しかし私は、2年後には介護・医療の同時改定を控えていますから、これから2年間の議論がこの先10年を決め、今回の改定は、それに向けて舵をきったにすぎないと考えています。この2年間で相当詰めた議論をしなければならない。その時に問題となってくるのが、やはり国民負担の議論です。これを避けて医療費の問題は議論できません。

■財源をどうするか
一番大事なのは、優先順位をどうするかという話です。医療財源を確保できない理由は、税収不足と財源問題です。真っ先に行うべきはデフレ退治です。デフレで、約30兆円の需給ギャップがあると言われています。これをまずはあらゆる方法を駆使して解決する必要があります。これによって税収をしっかり確保できる下地を作るべきです。次に解決すべきは財源問題です。国債の発行残高が地方と国合わせて900兆に迫っていると言われています。これはいわゆる「借金」なのかという考え方もあります。政府の借金と国家の借金は違うのではないか。日本の国債は国内で消化されているものがほとんどですから、それほど心配しなくてもいいという説もあります。しかし一方で、そのような国に対して海外の投資家が投資をするのかという議論もあり、その双方のバランスをとらなければなりません。ここに、本格的なメスを入れないと、我々がマニフェストでお約束した、GDP比で先進国並みの医療費の確保は達成できないということになるかと思います。

そのときに、国民負担率の内訳をみると、日本は小さい政府の部類に属するのではないかということが見えてきます。

デフレ退治を行い、その後に社会保障費確保の方策と財源問題を論じる段階になれば、消費税の議論が当然でてきます。私たちは、医療費をどこで確保するのかについては、基本は保険料方式を中心とするということで一定のコンセンサスを得ています。

基礎年金部分は税方式、医療は保険料方式を中心とし、介護はその中間をとる、という大きな流れが党内の中にあるということが言えます。今回の診療報酬改定では、厚労省政務三役の方も財務省との折衝にあたりましたが、最終的に十分な社会保障費をどう確保していくかということになり、その中の1つとして消費税の議論がでてきます。マニフェストにも書いてありますが、鳩山首相は4年間消費税を上げないと言っています。これは閣僚も同意していますが、私は、この間も議論はすべきだと思っています。

どういう形で議論すべきかというと、野党時代から自民党政権下の財務大臣と議論してきているように、1つは、社会保障目的税にしてはどうか、と私も含めた民主党議員は主張しています。

この提案に対して、前政権下での財務省の答弁は「財政が硬直化するから駄目だ」というものでした。せめて区分会計にはできないか、という話をしても、「検討はしてみるけど駄目だ」ということでした。

そういう議論の中で、現行の消費税が続いているわけです。これは私見ですが、消費税の議論をする場合には、目的税化が必須だと思います。

2つ目に注意を払うべきは、いわゆる逆進性の話です。特に格差の問題は、我々の政権では重点的に取り組むべき課題です。大阪の人間としては、格差の問題はひしひしと迫ってきていると感じます。たとえば、近畿地方のある地域では、保険料を払えないために保険証を持っていない方が約1割だそうです。治療費が払えないので500円以内で診察してくれ、というような患者さんが今、激増しているのです。これは避けて通れない問題です。

そういう面で、「給付つき税額控除」を我々は提案しています。これは、国民の基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を税額控除し、控除しきれない部分については給付をする方法で、消費税の逆進性を一定程度緩和するしくみとなります。こういう概念について、今年の秋までに我々は議論していく予定です。

3つ目は、税・社会保障共通番号制度です。これは給付つき税額控除制度にも必要ですし、税や保険料負担の公平性確保の観点からも重要です。我々は税も保険料も歳入庁で一元徴収し、年金制度の一元化も目指している訳ですから、この税・社会保障共通番号制度の導入は必要不可欠です。

この3つの論点が大きな議論となっていくと思います。

もっと言えば、医療に関しては負担が公平化されていくべきだと思います。

たとえば健康保険組合の中でも保険料率が2倍近い差が開いている現状がある一方、受ける医療サービスは入っている保険による差はないのですから、消費税の議論だけでなく、負担を公平化していくべきだと思います。

これまでは、なかなか導入が難しかったのですが、社会保障制度については、我々は早急に今年の秋くらいまでに議論していきたいと考えています。

■医療事故調査制度
スライドの《現行》と《新制度》をご覧ください。医療事故調査制度の話です。この図は前の政権の時に厚労省が出してきた、大綱案と呼ばれるものです。今、医療者が業務上過失致死に問われることが非常に多いのですが、その中で極めつけというか、医療者にとって心が折れた事件がありました。2006年の福島県立大野病院事件です。これは、帝王切開の途中で出血が止まらなくなった事例があり、本来は子宮を全摘することが標準的医療だとされていたが、そうしなかったので標準的医療から逸脱をしており、重大な注意義務違反があるとして、産婦人科のドクターが逮捕された事件です。結果として業務上過失致死傷罪で逮捕されるわけですが、これに対して、どういう制度を作るかということで、厚労省が作った案がこれです。一言でいえば、国の中に調査機関を作るというもので、基準に合致するものは、全例届け出をしてください、ということです。悪質かどうかは、この機関で全部判断するという仕組みで、これに賛成される方もたくさんいらっしゃいます。

しかし、我々は別の案(民主党案)を作りました。国が主導するのではなく、院内の事故調査委員会を作り、医療者と患者さんとの対話促進を目指すことにしました。医療メディエーター養成やADRの提案もしました。それでも解決できない場合は、都道府県の医療安全支援センターで解決しようという仕組みにしました。これを「厚労省案と一緒じゃないか」と言われることもありますが、思想が全然違います。最大の違いは医療に対してオートノミー(自律性)を求めるかどうかであると思っています。

医療界は普段の診療行為から、あるいは研究や教育において、自律性が活かされて運営されてきた組織です。

極端にいえば、医療政策において大事なのは、ヒト・モノ・カネですが、これらを最低限、揃えることは国の仕事です。その次に、医療界ができるだけ自律的に活動することを助けることが、我々政治家の仕事だと思います。厚労省案のやり方ではすべてを届け出る。このほうが楽かもしれませんが、普段から患者さんへの説明も医療行為も自律的に行っているのですから、そこで起こった紛争解決の部分だけを国に任せていては、いつまでたっても医療者と患者さんとの間には信頼関係が生まれないのです。では、医療界の自律・自浄作用はどこで担保されるのかというと、医師会、学会、大学等だと思います。医療界が自律性を発揮できるような仕組みが求められています。

たとえば、臓器移植法案のA案です。これは、比較的先進国に近い法律です。政治の世界では議論が紛糾しましたが、最終的にはA案が成立しました。しかし、マスコミは危険な法律であると書きたてました。A案は移植推進のための法律ではありません。実は移植医療に関係する学会にとっては、一番厳しい方法です。絶対に臓器提供を強制するようなことがあってはならないし、そもそも脳死状態にならないような救急医療体制を作らなくてはならない。「移植医療」とは何かということを国民に医療界が自ら説明しなければならないのです。この法律を施行すれば、自らでやらないといけないことが増えるのです。A案以外の案は御上(おかみ)が枠組みや範囲を制限するもので、医療界側から見れば楽なのです。思想が全然違うのです。

■医師養成数1.5倍
医師養成数1.5倍となぜマニフェストに書いたのか?実際に救急の現場で何が起こっているかを考えれば答えが出ます。「消化器専門の先生がいません」「外傷を診れる先生がいません」と患者さんの受け入れを断っている、それは、医療界として専門家でないと診られないということをこれからも続けるのか、ということが問われているのです。これから先も医師の専門分化を今のまま続けていくという前提ならば、医師養成数は1.5倍にせざるをえない。総合医を育成するので1.1倍でいいんじゃないかとか、そういう対案を出してもらって初めて、政策の議論ができるのです。「1.5倍」の是非ばかりが話題になって、医療界側から新しい提案がいまだに出てこないことは残念なことです。

さらに、新型インフルエンザワクチンもそうです。厚労省が優先接種順位を何が何でも守れと言うなら、集団接種しか方法がないのです。ところが、妊産婦、幼児等が一切おられない地域だってあるのにも関わらず、それを絶対に守れというのは、無理がありました。ある程度「遊びの部分」を作って医療機関の裁量に任せるべきでした。医療者は厚生労働省に負けないくらいの「危機管理のプロ」ですから、医療界の能力にゲタを預けるべきです。

あるいは、地域医療貢献加算もそうです。夜間の電話相談に3点がつきました。しかし夜間・休日診療所や輪番制に加わっていない医療機関が増えていることが問題なのであって、夜間に電話相談しないことに問題があるのではないのです。どうやって地域医療コミュニティを再構築するかに予算をつけるべきで、また郡市医師会はその問題に真剣に取り組まないといけないのです。そんなことを診療報酬で何とかしようというのは大きなお世話です。

以上の話はいずれも医療側の自律性と国の適切なアシストが求められている具体的な例です。

役所の発想ですと、医療者は基本的に性悪説であって、国がいちいち指示しなければならないという考え方です。政治が医療界の自律性をどうアシストいくかということは、マニフェストには書けないことです。医療界が求められているのは、自律性の確立と人材の育成です。ここに予算をつけていくのが、我々の政策の基本です。

この点が、これまでの政権とは大きく違うところです。つまり、中央集権ですべての差配を決めていく形ではなく、現場を活かすという考え方です。地方分権の話と似ていますが、今、ただ地方に主権を渡してもミニ利権ができるだけですが、現場や地域の自律機能をどう育てていくかが我々の目指すべき方向性です。

■大学病院と医師養成
最後に、国立大学病院運営費交付金の推移がありますが、大学病院が診療報酬で稼がないといけないという状況に陥っています。日本の医療・医学の中で最も危機的状況にある分野は基礎医学だと思います。今までの日本の医療レベルが世界1位だったのはなぜかと言うと、これまでの医療界では診療と研究と教育の3本柱が医師のキャリアパスの中にあったということが大きいと思います。つまり、ベッドサイドで患者さんを診た医師が基礎研究をし、その方がまた臨床に戻るというサイクルがこれまでの日本の医療レベルを支えてきたのです。新臨床研修医制度は医師不足問題のきっかけを作ったにすぎません。本質は、診療だけが医師の仕事であるという見方が広まりつつあることが問題なのです。

最後に過激な意見を言いますが、メンタリティの問題です。
これまで、どうやって日本人が勇気を奮い立たせてきたかというと、外圧がくれば日本人は本気で戦うのです。提案ですが、18歳の段階で同じ土俵で戦って、大学にいろんな人材が来るようにしたらいいんです。
どれだけハングリーな学生がいるか、世界に優秀な人材がどれだけいるかを目の当たりにしないと、日本の若者は目が覚めないんです。例えば私の出身大学である大阪大学の入学者が、「今年はインド人の方が優秀だったから入学者の80%がインド人です」っていうのもありだと思います。

学業のフィールドでは世界を相手に戦わなければ、日本の未来がありません。

国の予算でも私は国会の予算委員会で「研究開発費を減らすのは良くない」と主張していますが、予算の問題だけでなくて、もう一度死に物狂いで戦う必要がある。教育側の努力だけではもはや限界があります。日本人の戦う勇気、やる気、向上心、向学心がなくなっている中で、医療だけでなくすべてが駄目になっている。それを我々が後押しするために、世界レベルを見てもらうしかない。その危機感を我々は共有しなければならないと思っています。その中の一つが医療・医学だと、私は思います。

最後はアジテーションのようになってしまいましたが、以上を私の講演とさせていただきます。本日はありがとうございました。

■質疑応答
会場 3点お聞きしたいのですが、1点目は、医療も情報も建設も共通の公共財であるから、税を投入することについてどう考えるかということです。2点目は、医療界でのオートノミー(自律性)は絶対に必要だが、ただし国民は納得するかという疑問があります。3点目は、臓器移植ネットワークは予算を6割つけていただいて良かったが、オートノミーを考えると厚労省の力が非常に強い状態で予算を付けることをどう考えるかについて、お答えいただきたい。

梅村 ありがとうございます。医療に税を入れますという議論は、国民との間に齟齬ができやすくなります。医療は、現物給付ですから、医療費に税を入れるという話になると、診療報酬下げろという話になりかねないのです。医療のコストは、国民の側には見えないのです。そういう意味で、社会保険料方式は合理的です。保険と税ではとられる意味合いが違います。いずれにしろ今より大きな国民負担をしていただくということについては、メッセージを伝えていかなければならないと感じています。

2点目については、国民に理解を得られるかということですが、個人的には、医療側が納得を得るのは現時点では苦しいと思います。医療界側が中立的に対応できることを育てるのは困難ですが、今、医療側がそれをあきらめたら、永遠に国民から理解を得られる機会はおとずれないと思っています。対応できない方にはこれから勉強してもらう必要がありますが、とにかく今手を離さないことが大事だと思っています。
3点目は、臓器移植ネットワーク自体が仕分けの対象になりかけましたが、厚労省自体が臓器移植にあまり情熱がないように見えます。しかし、移植医療にたずさわっておられる先生方の思いは理解しているつもりですから、族議員にならない程度でお手伝いしていきたいと考えています。

会場 経営努力という面で、国立大学の現状は、私立大学の努力に比べると、まったく甘いと感じています。私立大学は国からのサポートほとんどなしで運営しています。長期的な展望で結構ですが、過半数の医師を育成している私立大学にはどのようなモチベーションで人材育成に取り組んでもらいたいか、メッセージをいただきたいと思います。

梅村 基本は診療と研究と教育の3本柱を守っていくことだと思います。経営形態は異なりますが、ミッションの違いはほとんどないと思います。ここで立ちどまって考えなければならないのは、経営戦略会議を開かなければならない状況が良いのかということです。研究者側からいえば、20研究したうちの1つ芽が出る、残りの19は「コスト」ですが、国側から見ると「無駄」ということになってしまいます。考え方をはっきりさせることが第一段階で必要となるでしょう。その次に、国でやるべきことは、国でやらないといけないと思います。国立にしても独立行政法人という形で本当にいいのかということも中長期的に議論していかなければいけません。本当に必要な部分は、民間にさせるべきは民間、というように分けることが必要で、現在のような中間的な存在は不幸だと思います。事業仕分けに加え、私立に対してもどこまで公的負担で担うべきなのか、という議論をし、最終的にはサポートできればと思います。

会場 政策立案を評価するときに、ベースとなる数字について教えてください。平成24年までの対策を立てるにあたって、診療報酬改定率の推移は、あくまでも当時の政府がアナウンスしたものにすぎず、結果ではありません。結果どうだったのかを知りたいのです。
また、連結財務諸表でいうところのBSがない、資産を取り崩していて、かなり遅いキャッシュフローで回っているようですが、ベースの数字が明らかにならないと、いつまでも評価ができないのではないでしょうか。少なくとも次の診療報酬改定までには、評価できる情報を作っていかなければならないのではないでしょうか。

梅村 まさにそうだと思います。我々は初めて診療報酬改定を与党で迎えたわけですが、びっくりしたことは、これまでの改定はすべて、「えいや」の力技で決められてきたということです。改定率の根拠を答えられる人はおらず、今までそうしてきたからというのです。政務三役も必要なデータを集めて計算したそうですが、数字自体があまり意味のないものとなっています。データはどこにあるのかというと、どこにもないのです。事業仕分けで整形外科が儲けすぎという話がでたが、わずか20の診療所のデータの話だそうです。とんでもない話で、主計局がその程度のデータしかもっていない。
また、単年度収支しかみせていないので、そこを見える化することが必要ですが、パンドラの箱をあけるようなものかもしれません。厚生労働行政では、これから2年間が一番のヤマだと思っています。今後も民主党政権に力を貸していただきたいと思います。

司会 お話にも出ましたが、『パンドラの箱を開けよう』という著書がありますので、お求めください。民主党政権は支持率が落ちていますが、こういう良い政治家もいるということですね。

黒川 ありがとうございました。今日の話を聞いていると、皆さんは教育程度が高くて、それぞれの専門家ということで、医療という国の中での制度でも、できるだけ自分の立場を離れて、客観的な質問をしてもらいたい、と言っていますよね。そうしないと常に各論を話すことになって、政治のアジェンダにはなるが何も変わらないのです。
梅村さんの話を聞いていて、これはプロセスの各論で、もっと大きな問題の一部に過ぎないと感じました。では、どうしたらいいのと言う話になると、オートノミーという社会に対する責任ということでしょう。これは、あなたが責任を持てるかという発想をしないと変わらないことです。政治の案件はデイリーなイベントですし、責任あるポストの人が、シビルサーバントとして使ってもらうかという意識がない限り、まだまだ日本はタテ社会ですよね。今まで常に単線路線でキャリアを上がるのが当たり前だったが、それがおかしいということを知的レベルが高い人こそ、認識してもらいたいのです。最後に梅村さんがお話されたように、大学こそ将来の人を育てる場所です。ぜひ、学部の時に1年海外に行かせ、交代で受け入れる。それをやらない限り、日本は根底から変わりません。
1月26日のムーディーズは、S&P国債の信用度を下げました。日本の報道はほとんどカバーしなかったのですが、2002年にも同じようなことがありました。来年も国債が出ますが、国内だけではさばききれなくなるでしょう。また、世界中の経済が悪いから、イギリスも公的資金を入れていますが、日本はマスコミにも書かれず、気付かないのは麻薬中毒と一緒ですよ。
すべてのプロセスとデータの透明化はさけられない、インタープリテーションも必要です。
ハーバードの学長は、すぐれた可能性がある人材を入学させるが、あまりにも悲しいのは日本がイギリス・カナダに次いで3番目に卒業生が多い国だったが、今や学部生たった4人だけ、とにかく応募が少ないと嘆いていました。日本が内向きなのは良くないことで、世界からのネットワークから置いていかれ、このまま沈没する船が右左という議論になっては困ります。物事をフレームの中で、考えないといけない。常に各論では心配です。すべてのデータを透明化することや、オートノミーの実現は簡単なことではないが、そういった視野で考えてもらいたい。今日はどうもありがとうございました。

最後に一言メッセージをお願いします。

梅村 民主党という立場で色々言われるが、私たちの世代は、非常に憂えているんです。しかし、この世界に自分が生きている限りは、次の世代に自信を持って渡せるよう日本を立て直したい、この気持ちに偽りはありません。またいろんな形で、勉強させていただきたいと思います。自分の成長が皆さまに対する最大の御恩返しと思っておりますので、ぜひこれからもご支援いただきますようお願いします。
今日は本当にありがとうございました。

 
 

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