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日本医療政策機構-活動報告

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「少子化と女性の健康」

開催日2005-03-12

「少子化と女性の健康」

急速に進む我が国の少子化。2005年3月、特定非営利活動法人 日本医療政策機構はこの問題を打開するひとつの方向性を示すべく「少子化と女性の健康」と題する政策提言シンポジウムを開催。少子化に関しては様々なところで取り上げられているが、本シンポジウムは、少子化と直結する出生を担う女性の健康、仕事と子育てを両立させる女性の健康にスポットをあて、医療の視点から政策提言及びディスカッションを行うといった、今までにない切り口で少子化問題を討議した。

少子化に関する政策提言は、数多く出されている。しかし、少子化の問題を、医療政策の側面から検討したものは皆無に等しい。当機構では、「少子化と女性の健康」、「女性の雇用と健康政策」という二つの政策提言を策定した。これらの政策研究から明らかになったのは、少子化の原因として、医療的な課題がいかに重要かということであった。
よって、そうした実態を広く共有し、今後の少子化政策への意味合いを議論するシンポジウムを開催した(共催:東京大学医療政策人材養成講座)。

まずは、少子化対策担当大臣の南野 知恵子氏から開会の辞を頂戴した。大臣には、その後、二つの政策提言書が手渡された。次に、当機構が目指す「ステークホルダーを結集した活発な政策議論」を実現すべく、各界の代表者が参加するパネルディスカッションが行われた。医療界からは当機構の黒川 清、経済学界からは島田 晴雄氏、厚生労働省からは苗村 光廣氏、自民党からは野田 聖子氏、民主党からは古川 元久氏、そして経団連からは西室 泰三氏にご参加いただいた。少子化と医療政策との関係について活発な議論が行われ、参加者からも多くの質問が寄せられた。

■スピーカーの発言要旨

南野 知恵子氏:「 子どもに健康を、女性に親としての喜びを」

少子化問題に対しては、関係府省が一体となり総合的な取り組みを推進している。未来の力でもある子どもたちが健康に育つ社会、女性が安心して産み、育て、親としての喜びを実感できる社会のために、本日のシンポジウムに期待する。


黒川 清: 「 理想の子ども数を実現するために保健医療政策が不可欠」

理想の子ども数と実際に産む予定子ども数にはギャップある。これを埋めるためには、経済的・社会的援助に加えて、精神・身体的要因に対する保健医療的視点からの施策が必要だ。私たちは、『不妊治療の充実』『若者の性感染症・中絶防止』『新技術に対する法制度の整備』を三つの大きな柱として提案する。


島田 晴雄氏: 「 女性が仕事をしながら子育てをするには健康政策が必要」

日本では女性が仕事をしながら子育てを続けにくい環境にあるが、この問題の背後には社会経済問題とは別に、健康問題が大きい。特に、月経関連症状や更年期障害、子宮内膜症など子宮関連の病気、がんがある。これらに対する施策として『女性自身への健康教育の推進』『女性外来の質の向上』『職場における健康サポートの強化』『健康診断の拡大』『がん対策の強化』を提案する。


苗村 光廣氏: 「 急激する社会状況に応じた対策を進行中」

平成元年の合計特殊出生率1.57というショッキングな数字が出てから、政府の対策が始まったが、今のところ出生低下傾向を食い止められていない。厚労省では、①産科・小児科・児童精神科の医師の養成・確保、②生殖補助医療分野の諸問題の検討、③成育医療の推進、④性差医療の在り方の検討、などを対策案として掲げる。


野田 聖子氏: 「 少子化対策のやり直しを図るべき時期に」

国会の中では少子化問題はほぼ手つかずの状態だ。政策の一つにも、課題の柱にもなっていないと断言せざるをえない。また、厚生労働省だけでなく財務省と経済産業省も柱となるべきである。不妊のための相談センターをつくるよりも、自分の通っているクリニックでカウンセリングを受けられることのほうが現実的で有効な対策ではないか。


古川 元久氏: 「 不妊治療における適切な医療保険の適用を推進」

不妊症関連で有効なものについては医療保険の適用を考えるべきだ。代理母や出生前遺伝子診断の許容範囲なども議論していくべきではないだろうか。さらに性差医療の拡充も大切である。


西室 泰三氏: 「 児童家庭家族環境給付費にもっと予算を」

政府予算に占める児童家族関係給付費と高齢者関係給付費の間にはあまりにも差がある。高齢者関係給付費を切り込み、児童家族関係給付費に充てることを考えるべきだ。また報道者には、企業の育児支援状況を勉強し、しっかりとしたキャンペーンをしてほしいと思う。

 

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