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第7回朝食会「医薬品・バイオ製剤の開発と認可行政を考える」

開催日2006-11-02 ゲスト川上 浩司 氏(京都大学大学院医学研究科薬剤疫学分野教授)

第7回朝食会「医薬品・バイオ製剤の開発と認可行政を考える」

去る11月2日、第7回朝食会を開催いたしました。
京都大学大学院 医学研究科薬剤疫学分野 教授の川上浩司先生に「医薬品・バイオ製剤の開発と認可行政を考える」というテーマでご講演戴きました。会場から質問やコメント等が次々と寄せられ、議論が大いに盛り上がりました。ご参加の皆様には、朝早くからお越し戴き、誠にありがとうございました。

(要旨)
●昨今の医薬品創出の流れ

アメリカでは、1980年代にバイドール法(1980年)によって、米国政府の資金で行われた研究の特許権が研究者側に認められるようになり、バイオベンチャーが増加した。また、ハッチワックスマン法(1984年)でブランド薬に対する特許期間が延長された。日本でも、日本版バイドール法と呼ばれる産業活力再生特別措置法(1999年)を契機にバイオベンチャーが増加した。一方、1990年代になると創薬の方法にパラダイムシフトがおこり、疾患の標的に対してメカニカルに薬を開発するようになってきた。現在では早期開発品目の30%がバイオ医薬品である。こうした状況においては、トランスレーショナルリサーチ=大学研究室と臨床を近づけることが重要となってくる。したがって、大学も企業も基本的に同じシステムに乗って開発を行う仕組みが望ましい。

また、開発の成功確率は現在、研究段階の10万個のシーズのうち第Ⅲ相を成功するのは1~10個と言われている。80年代には20%程度と言われていたので、かなり確率が下がっている。日本では、イノベーティブな創薬よりも海外で承認された医薬品のブリッジングを優先してきたが、現状との齟齬が生じはじめた結果、現在日本では治験の空洞化が起こっている。日本発の医薬品をどうつくっていくかが今後の課題である。行政の役割は、臨床試験、承認・認可、市販後を科学的ジャッジすることになってくる。

アメリカにおける審査の状況

アメリカでは、行政が医薬品開発を支援し、審査のスピード化を行ってきた。中核はFDAであり、NIHと同列の行政機関である。FDAはすべての医薬品、食品、化粧品の申請を一元的に審査し、申請者はIND申請と呼ばれる申請書類のパッケージを提出する。FDAは申請受理後30日以内に、科学的レビューに基づいた審査を行い、臨床試験開始の可否につき決定を下す。申請料金については、大学は100%、ベンチャー企業は90%の割引を受けられる。評価の視点は”Efficacy(有効性)”にとどまらず”Effectiveness(アウトカム・医療経済的評価、QOLなども含む考え方)”を重視している。審査官は博士取得者や医師が多く、FDAを経て大学や製薬企業に転進するキャリアパスも幅広く存在する点は日本の状況と大きく異なる。また、臨床試験前の相談業務も充実しており、相談は早いほどロスが少ないためFDAと企業の双方にとってメリットが存在する。

日本の現状と課題

日本では、「治験」と「臨床研究」という二つの手続きによるダブルスタンダードの状態が続いている。この点はアメリカのFDAと対照的である。また、日本の医薬品医療機器総合機構は法的権限が乏しい。さらに、承認された医薬品による副作用等の問題が起こったときには、承認を担当した審査官個人がスペックコードとなり糾弾されるおそれがある。今は独立行政法人となり、国の機関ではなくなったので責任の所在を今後どうしていくのかが問題になる。この点も、審査官の免責制度が採用されている米国と異なる点である。また日本には国内の研究開発を蓄積したデータベースがない。患者に試験参加のイニシアティブがないのでデータベースへのアクセスが少ない。情報発信していない。

提言

厚労省とは別の新しい行政機関として、日本版FDAを設置する必要がある。また、医師の養成は、文科省のカリキュラムから厚生省の医師免許試験とを抜本的に見直すべきである。

 

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